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やる気の正体

読むと元気になれるストーリー(1) 

    ~やる気の正体~

 

 

 

(今日の登場人物)

 

上司:含蓄深い(?)50代のビジネスマン

 

Aくん:20代後半の部下。いつもはやる気満々だけど

    今朝はなんだかテンション低め

 

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連休明けのその日、A君はなんだか眠そうな目をして

生あくびを連発していました。

 

熱は ないのでコロナに感染したようでもないし、

連休中にどこかに遊びに行った疲れが出たのかと

思っていましたが、どうも違うようです。

 

 

彼は、休み明けの仕事に備えて、前の日は

一日中ゴロゴロして体力を温存していたそうです。

 

 

 

そんなA君に声を掛けました。

 

「どうもやる気が出ない日もあるよね。そんなとき

どうすればいいか知ってる?」と。

 

 

すぐにA君は食いついてきました。

 

 

「やる気が出たらやろうって思っていても、いつまでたって

もやる気なんて出てこないよね。そんなとき簡単な方法が

あるよ。

 

それは

 

『やる気が出ないままやる!』

 

だよ。」

 

 

 

 

キツネにつままれたような顔をするAくん。

 

 

「やる気がいきままやっていれば、後からやる気が

『ごめん、ごめん』って言いながら追いかけてくるから

やってごらん」

 

 

 

――人間の脳は、複雑で高性能なだけに、時にはセーブモードのように

パフォーマンスが落ちるときがあります。

そういうときは、自律神経などの他の機能もセーブモードになり、

なんだかやる気にならない状態が続きます。

かといって睡眠をとればいいというものでもありません。

そんなときは、パソコンのキーボードをたたくように仕事を始めれば

いいんです。高性能でマルチタスクをこなす脳は、一つ行動起こすと、

あれもこれもソフトウエア―が起動し始めます。

そして、気が付けばいつもの活発な状態になっています。――

 

 

A君は、デスクに向き直して仕事を始めました。

 

先ほどの眠そうな目がウソのようにテキパキ動き始めました。

 

やる気の正体は、脳ミソのスイッチです。