がんばれ現場監督 ~日常の当たり前を支えるために~
先日、ロングレール更換の現場に行きました。
その手順は、次の通りです。
①1本25mのレールを工場で50mに溶接し、夜間にレール運搬車(モーターカー)を用いて現地に運搬。
②別の日に、それを現地でさらに溶接して、今回の施工延長に合わせて1本300mのロングレールにする。
③レールの更換当夜には、端から既設レールの締結ボルトを緩め、軌陸バックホウ2台の相吊りで既設の
レールを外す。ある程度外れたところで枕木上に新しいロングレールを設置していく。
既設レールとロングレールとの溶接は、ゴールドサミットという工法を用いて現地で溶接。
最終的に、水準や高低、軌間、通り、カーブの状態を調整していく。
大雑把に言うとこうした手順ですが、レールを更換する夜が最もタイトな工程になります。
始発列車が来るまでのわずか4時間ほどの間にレールをすべて入れ替えなければ
ならないからです。
しかも300mのロングレールです。既設レールを外す作業、新しいロングレールを
設置して締結する作業を、位置をずらして同時進行でやっていかなければ、
作業が終わりません。
2,000本近いボルトを外して復旧するだけでも大仕事なのに、
今回の工事はカーブ区間。ATSなどのたくさんの電気・信号設備もありました。
多くの職人さんたちが、職長の指示の下、テキパキと作業を進めていました。
気を抜けない作業が続きますが、始発列車が予定通り通って当たり前。
これだけの偉業をやったとしても褒めてくれる乗客はおそらくいないでしょう。
それでも、自分たちが敷いた線路に一番列車が走る瞬間、僕たちは毎回感動します。
今夜も南西の空には、シリウスがひときわ明るく輝いていました。
コメントをお書きください